[再生開始]
「言い伝えは本当だったんだな……」
外装が著しく破損した汽車が映し出される。ディーゼルエンジンの駆動音が反響している。
「これに乗れば、本当に会えるのでしょうか?」
「乗るかどうか、お前が決めるのです。」
木々で補強された架橋は、断続的に軋む音を発している。
「私は……」
音声が止まり、映像が細切れになる。
映像の乱れが収まる。構内の自動放送が汽車の到着を知らせている。到着する汽車には、何者も乗っていないように見える。
一匹の動物が下車した。動物は、汽車に向かって咆哮した後、汽車から離れていく。
[再生終了]