26:00。終わる事の無い残業の息抜きと、気紛れに入った路地裏で、少女と男に会った。
不自然な程に発達した性器を武器に、悪趣味な男性達から性と端金を絞り取る少女達の存在は、今となってはありふれたものだ。あの路地裏で見た少女も、そのような、ありふれた、不幸な少女達の一人だった。
「公園で無邪気に蟻を殺すような歳の子も、娼婦の真似事をできるんですよ。驚きませんか?」
少女に投げ銭した時、男は現われた。刹那の快楽に水を差した事には気にも留めず、男は語り始めた。
「この娘、実は私が養子として引き取った子なんですよ。迷子になって……遂に見つけたと思えば、このザマですよ……」
男の発言を無視し、少女は奉仕をし続ける。
「見て下さい、娘の顔を。幸せそうでしょう?私と暮らしていた時は、あんな顔をした事は無かった。」
少女の手には私の茎が、男の手には合成酒が握られている。娼婦となった少女に、男の声が届く事は無いだろう。
「私の小言よりも、あなたの茎の方が、魅力的なんでしょう。」
男の顔は、何処か寂しそうだ。
密着した少女の体からは、合成酒の香りがした。