世に満ちた角が、今日も私を襲う。鋭利な現実をこっちに押し付けないで。お願いだから。痛い、痛い、痛いよぉ。
涙が角に引き裂かれる。その姿はまるで、オリヒメから産まれたヒコボシのよう。何が楽しくて、こんな事をしているんだ。分からない、怖い、怖い。
「不気味に白めく空、赤い枠、そして丸い味。あぁ、この世は大きなSandbox」
有名な歌の歌詞がリフレインするこの空間で、角は無制限の成長を続けている。助けて、助けてよ。
「そっか、そっかぁ……」
まんまるお月様が、一緒に憐んでくれる。角の無い姿が、救いの姿その物だったのです。